飛騨高山丹生川町の山のなかにある、家具工房雉子舎です。

雉子舎では、木の木目や色、節などの、自然が長い時間をかけて創りあげたものを大切にしています。
雉子舎の家具づくり
素材のよさを感じられる無垢材での家具づくり。
木そのものの重厚感やぬくもりを感じることができ、100年後も使い続けることができ、使い込むほどに味がでます。
修復しても削ったり研磨し、再塗装することで新品同様によみがえり環境にもやさしいのが無垢家具です。
今はリーズナブルに低価格でダイニングテーブルセットも手に入れることができてしまいますが、
一つのものを長く使い続けることが出来れば高くはありません。
長く使うということは、もちろん手入れなどが必要ですが、
買ってすぐに処分するような使い捨てをするよりも、木と付き合っていくことで、心ゆたかな暮らしにつながっていくと思います。
テーブル
家具のなかでぱっと思い浮かぶものは何でしょうか?
一人暮らしと家族と暮らしているのではイメージする家具も異なると思います。
家族で暮らしているのであれば、一緒にご飯を食べたりしゃべったり、人が集まる場所にあるテーブル。
一人暮らしであれば、くつろぐためのソファーや、作業時に使うデスクなど。
椅子は共通して使う家具となっています。
今回は、ダイニングテーブルとして雉子舎の定番にある、「ブックマッチテーブル」、「スリットブックマッチテーブル」を紹介します。

この二つは雉子舎の登録商標です。
スリット
写真のテーブルの天板は、真ん中にスリット(隙間)があります。
スリット入りの天板は、2枚の板をそのまま天板にしているのですが、
”原木をカットした板そのままが開いている”ように隙間を残した作りで、
対称になっている板の木目をより引き立てるようデザインされています。
(※接ぎ(はぎ)とは、板と板をつなぐことです。)

本を開いたように、木を開いた形の天板。
本も紙でできているので元は木ですね。
”木を開くこと”
それは、本を開いて物語を読むように、
開かれた木から刻まれた季節や木目の表情を感じ、
そして、テーブルの持ち主の時間や思い出が、開かれた木にまた刻まれていく、
本のように記憶や記録の集まるものになるといい。
そんなことを思っています。

テーブルの天板はスリット入りとスリットなしを選ぶことができます。
スリットがあると、隙間に汚れがたまったり掃除がし辛いのではと思われるかもしれませんが、
スリットの間に汚れが入ってしまっても、しっかりと拭き取れるように
裏側に指の入る隙間をつくっています。
原木のかたちを活かした、より自然に近い形のテーブル天板である、
スリットブックマッチテーブル。
製品にする以上人の手は加わっていますが、
原木の生きた証をよりそのままに近いかたちで感じることができるテーブルです。