新緑の明るい緑がまぶしい季節になりました。
天気がいい日は暑さも感じるので、町ゆく人たちは初夏の装いです。
飛騨地域は山間と市街地で標高差があるので、場所により気温や天気も異なりますが、今年は暑くなるのが早く、標高800mくらいある工房の周辺も一気に緑が増殖しています。
家具工房雉子舎では、テーブルや椅子などの家具以外にも、気軽に生活に取り入れやすい「無垢のコースター」等、「木」そのままの質感と風合いを楽しんでいただける製品も作っています
無垢のコースター
「冷たいコップなど置いても大丈夫?」、「染みとかできないの?」と、
お客様に聞かれることが多い無垢の木の製品。
日常的に使う場合にお手入れのハードルも気になるポイントですよね。
オイル仕上げの無垢テーブルには、直接コップを置かずランチョンマットやコースターの利用を進めています。
無垢の木を暮らしのなかに取り入れたいと考えていても、面積の大きい無垢のテーブルはどうしてもハードルが高い。
お手入れを自身で出来るのだろうか?
と、そんな方にはコースターはお勧めです。
お手入れやどんな風に使うと染みになるのか、どうすればキズや染みを直せるのかなど、まずは扱いやすい小物から使ってみては如何でしょうか。
オイル仕上げ
しかし雉子舎の製品は基本がオイル仕上げ。
もちろんコースターもオイル仕上げです。
オイルは木材に浸透して表面に膜を作らないので、木の手触りはそのままにしっとりと落ち着いた風合いになります。
その反面、水で濡れてそのまま放置してしまうと染みになってしまいます。
お客様には、「水気がついたらすぐを拭いて、乾燥が気になってきたらオイルを塗って下さい。」とお伝えしています。
ですが、湯呑やカップの縁が濡れていたり、気温差から生じる結露などによって水滴が下の方にたまったり、小さい鉢植えを置いていて知らず知らずのうちに水気がそのままになって染みが出来ていた、ということもあります。
水分による染みのメンテナンス
こちらでは、実際に水分で”染み”になってしまった場合のメンテナンスをお伝えします。
写真は雉子舎のコースターです。
水分をそのままにしていたため染みができてしまいました。
輪染みができており、特に右下あたりにある染みが目立つので、この部分をきれいにしたいと思います。
やすりがけ
320番のサンドペーパーで木目に沿って、本体と並行にやすりをかけます。
この時、一か所だけが凹まないように”あて木”を使います。
あて木を使うことで均一に力をかけて削ることが出来ます。
(6~7cmの長さで巾3.5cm、厚み1cmくらいの平面が出ているものを使用。)
やすりがけ後
よく見ると薄っすらと染みの後がみえていますが、ぱっと見は目立たないくらいに。
せっかく経年変化で色味が濃くなっているので、一旦これくらいでやすりがけを終えます。
オイルが取れたので表面が白っぽくなり艶がなくなっていることが分かります。
染みの程度にもよりますが、経年変化した部分も削れるのでやすり掛けの具合によっては色味が明るくなります。
オイル
食用の油でも代用が可能(乾くと固まる油、乾性油である亜麻仁油や荏胡麻オイル、クルミ油や紅花油等)なので、専用のものを買うにはハードルが高いなと感じる方は、上記のもので代用も可能です。
布にオイルを取り、木目にオイルが入るように円を描きながら刷り込み、その後木目に沿って馴染ませます。
少し置いてから表面に残ったオイルを拭き取って、乾燥させてください。(乾燥時間はご使用のオイルにもよりますが半日から1日)
乾燥
オイルを塗るとしっとりとした風合いになり、塗った直後は艶々としていますが、塗りたてから乾燥するに従ってテカリは落ち着いていきます。
(※亜麻仁油等のオイルがついた布は自然発火の危険があるので、使用後はすぐに水につけてから処分してください。)
定期的にオイルを塗っていただくことで艶が増していきます。手をいれていくことで、育っていく風合いを楽しんでいただければ幸いです。
無垢の木の魅力
キズも染みもない製作されたばかりの物はきれいですが、新品同様が必ずしもの正解ではなく、”使い込んでいく”楽しさも無垢の木の魅力だと私は感じています。
削ったりすることが簡単にできる木材。
角が欠けたとしてもやすりで形をキレイにして、手を加えて使い続けていくことが出来ます。
形を変えながらも使い続けることが可能な無垢の木。
古い物でも、表面を削れば元のきれいな色味がでてくるので、新品同様に蘇らせることだって出来ます。
「必ず頻繁にお手入れをしなければいけない」と思うとハードルが高い。
ですが、染みや傷も必ずしも直さないといけないものではないので、各々のライフスタイルに合わせて木と付き合っていければいいなと思っています。
日々お使いいただき、乾燥がなんだか乾燥が気になるな?と感じたらオイルを塗ってみてください。
岐阜県高山市の山間にある家具工房。
飛騨の家具Ⓡの認定企業 (認定番号0008)
国産家具認定番号(認定番号JFA-0024)