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ムーンスツール挽脚・ムーンカウンタースツールのこと


自然の恵みを暮らしに届ける家具工房雉子舎(きじや)。

飛騨高山の自然に囲まれた家具工房です。

ムーンスツール/カウンタースツール

写真は工房の玄関前から。

夕暮れ時、少し陰った光のなかススキが風に揺れていました。

 

 

スツールについて


家具工房雉子舎では、テーブルや椅子、棚やオーダーの家具をメインに、

家具以外にも鏡や靴べら、「スツール」も製作しています。

「スツール」とは背もたれがなくて座るための”座面”だけのシンプルな椅子のこと。

基本的には「椅子」なので座るためのものですが、

シンプルな形状なので、”座る”以外にもサイドテーブルや飾り台などにも使える優れもの。

植物を飾ったり、玄関先で靴を履くときに少し腰かけたりやサイドテーブルとしてなど、

一つで二役三役をこなせるマルチな存在です。

機能がたくさんあるわけではないシンプルな物ですが、

シンプルだからこそ汎用性が高く色々な用途に応用が効く、「多用途」で使える物というのは限られた生活空間のなかで重宝します。

 

 

ムーンスツール挽脚

 

ムーンスツールの名前について

雉子舎のスツールにはそれぞれ名前がついています。

人気商品の一つである「ムーンスツール挽脚」

「挽脚」というのは木をくるくると回転させて成型された脚のことです。

ムーンスツールは名前の通りの「月」から。

座面の形は上から見た時に、満ちていく月のようなシルエットです。

ムーンスツール座面上からの写真

大体月齢10、26くらいの形でしょうか。

月などの自然のなかにある”形”を、暮らしのなかで使う椅子の形に落とし込んでいます。

自然のものである木の形と、使う上でのデザインされた形。

その2つを両立させることで、「木」という自然の恵みを、日常使いする家具として暮らしへ届けることが出来ると考えています。

木のもつ色味や木目の模様は木の生きた跡がそのまま表れていて、

私たちはその跡をみて波などの文様に感じたり、木の過ごしてきた季節や、枝の跡などから元の木の形に思いをはせることが出来ます。

 

座面のかたち

ただ月の形になっているだけではなく、座っていただくとわかるフィット感。

直営のGalleryで実際に座っていただくことができます。


快適に座るための背もたれやひじ掛けはありません。

「スツールは長く座るのに特化していない」という側面もありますが、

ムーンスツールの座面は計算された凹凸があり、体にフィットし背筋がすっと伸びる座り心地です。

脚も4本あるので安定感が抜群です。


座ぐり

 

”座ること”に特化した、ムーンスツール。

座り心地の良さは、「座ぐり」という加工によるもので、座面を削って座りやすい凹みにすることを言います。

ただ真ん中が凹んでいるだけではなく、前面と後ろ面とで勾配がついています。

ムーンスツールは体が収まる幅がありますが、座面は膝裏までこないため浅く座る体勢になるので自然と姿勢よく座れます。

座面の手前側は、見ただけではわからない絶妙な凹凸があるので太もも裏の当たりが柔らか。

柔らかな絶妙な凹凸は、全体のシルエットを損ねることなく、月の形状がすっきりとシャープな印象のまま。

雉子舎の職人、こだわりの形です。


ムーンシリーズ

 

スツールの脚をカットしたりと、体にあった高さにすることも可能です。

また、高さ調節可能なキャスター付きのものもあり、ムーンシリーズはカウンタースツールもあります。

座面が安定する形状なので、座ぐりによる縁の形状のおかげで体が横にずれにくく、

カウンタースツールになっても安定して座ることが出来ます。



 

使うための”形”というのは人が作り出した人為的なものです。

「デザイン」という言葉は意匠や設計などの意味で使われていますが、

使いやすいように”木を加工して作られた”椅子のデザインは、自然のなかにある形からきています。

満ちていく・欠けていく、日々変化していく月。

満ち欠けの途中を思わせる形だからこそ、時間の経過や移り変わっていく季節がイメージされます。

無垢の木を使って作られているので、経年で変化していきます。

ムーンスツールに限らずすべての木製品でいえることですが、日々の暮らしのなかで使われていくものは、傷や汚れがつくこともあり色味も変化します。

そんな日々を楽しんでいただけたら思っています。

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